[CapitalCityfootball]FC東京と5バック

5バック

 Jリーグ第7節、FC東京は湘南ベルマーレとホーム味の素スタジアムで戦うが結果は2-2の引き分け。今シーズンになってからアウェーでは勝ちなし、ホームでは勝率100%を誇っていたFC東京だったが初めて勝ち点2を失う結果となった。

 FC東京は後半途中からシステムを4-2-3-1に変更し、攻撃を行ったがチャンスを多く作るも点を奪いきれず引き分けとなった。この引き分けから5バックの崩し方をFC東京はどのようにやればよかったかを見ていきたい。 

フォーメーション

 今回のFC東京のフォーメーションは4-3-3で後半に4-2-3-1と二つのフォーメーションを使用した。

<4-3-3>

<4-2-3-1>

 一方、湘南ベルマーレは5-3-2のフォーメーションを保ち同じような一貫した戦術で挑んできた。

 この様子から湘南ベルマーレは自身の戦術に対し自信を持っており、このフォーメーションならFC東京に勝てると踏んでいたと予想している。 

 実際、今シーズンのホーム戦でFC東京は全ての試合で勝利しており、長友の「お前ら声出してんのか」とFC東京のサポーターに対して言うことがあると渡邊凌磨選手がYoutubeで語っていたこともあり、いつも以上の応援がFC東京ホームの味の素スタジアムには響いていた。

 これほどのホームアドバンテージを跳ね返すほど湘南ベルマーレは強かった。いつも以上の勢いで攻撃を仕掛けるFC東京は前半に仲川のゴールで1点を奪い後半に折り返すが決して、FC東京が優勢の試合運びではなく劣性の中でもぎ取った1点だった。後半に入り、その展開を打開しようとFC東京はフォーメーションを4-2-3-1-に変更し勝負に挑むが、54,59分にゴールを奪われ、65分にセットプレーから何とかエンリケ・トレヴィザンのヘディングから何とか引き分けに持ち込んだ形だ。 

 なぜ湘南ベルマーレはこれほどまでに強かったのだろうか。

SB(前半4-3-3時)

 FC東京の4-3-3と湘南ベルマーレの5-3-2を合わせるとどうなるか考えていきたい。 

 まず、4-3-3では湘南ベルマーレに対して両サイドバックが完璧にマークから外れるため優位に試合運びをするためのカギとなる 。これは4-2-3-1でも同様である。

 FC東京がビルドアップするのには両サイドバックがフリーで、自由に動けるということを最大限に生かしてビルドアップをしていかなければならない。この試合ではサイドバックをうまくFC東京はうまく使えなかった可能性が高い。

 対5バックでサイドバックの重要な仕事は、「位置取り」と「サイドチェンジ」、そして「クロス」である

 位置取り・サイドチェンジ

 FC東京はとにかく自分のペースでボールを持ちたい。それは、相手が5バックなので自分たちが有意な形でボールをもって崩していかないと守備が固い上カウンターを狙われてしまう。それを防ぐためにサイドバックは高い位置を保ち、チームとしてもフリーでいる選手へ積極的にパスを回したい。

 しかし、どんなにパスを回していてもFC東京サイドバックは相手の守備陣にスライドを受けはめられてしまう。それに付き合ってしまうとサイドバックとか危険なエリアでボールを奪われて、カウンターをくらってしまう。

 そのためにはサイドバックはCBや近くのMFにボールを渡すのではなく、反対側でフリーになっている味方選手にサイドチェンジしボールを保持する必要がある。

 クロス

 サイドチェンジした後はどのように崩せばいいのだろうか。FC東京の4-3-3では湘南ベルマーレの中央を崩すことは至難の業であるといえる。5バックに加え中央の三枚が湘南ベルマーレの中央についているからである。そうなると必然的にクロスを使用したサイド攻撃から崩すことになる。

しかし、ただクロスを入れるだけでは崩すことはできない。当たり前に中央には片方のサイドバックがクロスを上げる選手に対応しに行ったとしても3~4人の選手が必ずいるし、そこに中盤の選手もおりてきてもっと厚くなる。

 この条件があるとして、湘南ベルマーレの5バックを崩すのに必要なのは5バックの選手を1人でも引きずり出すということである。そのためのカギはセンターフォワードにある。

 まず、サイドバックとウイング、中盤を絡めたビルドアップで相手のサイド前線まで上がる。そして、1度サイドでビルドアップするように下げる。この時にセンターフォワードも同時に下がり中央にボールを持たせるかのように装い相手の5バックの一人を引き連れる。この時5バックの人数が1人減るととも引き連れた選手分のスペースが開くためそこに他のアタッカーが入り込みその位置に合わせるようにサイドバックないしウイングがダイレクトでクロスを上げ、飛び込んだ選手がシュートに持ち込む。この方法はマンチェスター・シティの5バックの崩しによく見られる。

 また、センターフォワードが選手を引き連れなかった場合は、降りてきてフリーのセンターフォワードににボールを出しミドルシュートを狙う。そうすることでセンターフォワードにボールを持たせてはいけないという怖さを相手の選手に植え付け、引き連れるのを待つ。うまく引き連れたら上記の崩しを行う。

 後半4-2-3-1

 FC東京は、前半4-3-3でうまく崩しきれず後半ボールを保持し自分たちのペースにもってくるため、フォーメーションを4-2-3-1に変更した。しかし、結果はボールを保持は少しできるようになったが2点失うことになり、何とかセットプレーで1得点を取り返せた。

FC東京は後半どのように崩せば良かったのだろうか。

 4-2-3-1で行ったのだから、1トップとトップ下が5バックのサイドバックと3バックの間に位置させる(2トップ化)。そして、ウイングが中に絞り5バックと中央の3枚の間に位置する。

サイドバックは高い位置を保持しボールを回すのに加担する。ウイングが中に絞っている理由はそこにボールが入ったとき、5バックの1枚が寄せたとき2トップ化した前線が中央に切り込む位置がフリーとなるためそこにボールを流し込めば中央突破が可能になる。

FC東京は5バックを引くチームに弱い。確かに、5バックは崩しにくく先制されると難しい試合展開となる。だが、5バックを引いてきたチームにはこういう風に崩すなどの最低限の指標があればやり易くなるはずである。そういう強い首都東京を私は見たい。

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